
暗い部屋のベッドでスマートフォンを使っている若い男性。ファイル写真提供:Gap_Abstracture(Shutterstock経由)
By Sean Salai – The Washington Times – Wednesday, July 29, 2026
行動科学の専門家らは、若者が週末を自宅のベッドでスマートフォンなどの画面を見て過ごす「ベッドロッティング」が広がっているとして警鐘を鳴らしている。節約志向から広まったこの生活様式が、新型コロナウイルス禍で身に付いた孤立傾向をさらに悪化させているという。
バージニア大の社会学者ブラッド・ウィルコックス氏は「米国では今、幸福感の喪失が起きており、とりわけ若年層に集中している。無料で楽しめる外出さえしない若者が増えている。人付き合いや恋愛が減少し、その一方で安価なデジタル娯楽が広がり、若者を社会的な死とも言える状態へ引き込んでいる」と述べた。
世論調査では、新型コロナ対策でオンラインでの学習や交流が定着して以降、実家を離れる若者や恋愛関係を築く若者が減少していることが示されている。
ハリス・ポールが29日公表した調査では、18~29歳の73%が「週末は家で過ごすのが基本」と回答した。71%は週末の半分以上をテレビや動画配信サービスの視聴、テレビゲームなどに費やしているという。
また、このZ世代の半数が「週末は孤独を感じる」と回答し、全世代で最も高かった。65%は「対面よりもスマートフォンで人と交流することの方が多い」と答えた。自宅で過ごす最大の理由としては、多くが「楽しみたいから」ではなく「節約のため」を挙げた。
ハリス・ポールの調査責任者ティム・オシエッキ氏は「家にいる理由を見ると、節約や休息が上位であり、画面を見ること自体を好んでいるわけではない」と説明した。
同氏は電子メールで「スマートフォンは若者が本当に必要としているものを与えてはいない。一時的な代用品にすぎず、本当に望んでいるものではない」と指摘した。
新型コロナ禍では、公衆衛生の専門家らが、画面を見る時間の増加が若者の不安や抑うつを深刻化させたと指摘していた。
当時、人生の重要な時期をオンライン中心で過ごした10代の若者や大学生は、社会から距離を置く生活に慣れたまま成長した。精神衛生の専門家らは、規制が解除された現在も、多くの若者が外の世界との接触の必要性を感じていないとみている。
オハイオ州ノースカントンの家族心理学者で、カトリック系メディアでも活動するレイ・グアレンディ氏は、「若者はサイバー空間へ一層引き込まれ、対面での人間関係という現実世界を後回しにしている」と話した。
心理学者らは、SNSのアルゴリズムが依存性を高めていると警告する。特に若者は、夜遅くまで性的なメッセージを送る人工知能(AI)の会話相手に強い恋愛感情を抱くケースも増えているという。
◎最も孤独な世代
近年、ギャラップやハーバード大、米精神医学会の調査では、1997年以降生まれの世代が、それ以前の世代より強い孤独感を訴えていることが明らかになっている。
一方で、ショッピングモールなど人々が交流できる場所は減少している。
キャピタル・ワン・ショッピングは、全米約1200カ所のショッピングモールの25%が2028年までに閉鎖されると予測している。来店客の減少やネット通販の普及が背景にあり、2016~2024年にはモール内店舗が1万8730店減少した。
カトリック大の社会調査学教授マイケル・ニュー氏は、交流の場が減っている現状について「問題はある。恋愛関係はオンラインより対面で生まれる可能性が高いからだ」と述べた。
ハリス・ポールの調査では、30歳未満の73%が「酒を中心としない交流の場がもっと欲しい」と回答した。
学校向けのインターネット安全対策を支援するイリノイ州のサイバー・セーフティー・コンサルティング社の教育責任者で、3人の10代の息子を持つアリソン・ボナッチ氏は、この結果を支持すると語った。
「家庭でも職場でもない『第三の場所』をもっと創造的に増やす必要がある。お金をあまり使わず、酒を中心としない交流の場が求められている」と述べた。
スタンフォード大で依存症研究を行う心理学者キース・ハンフリーズ氏は、若者が外に出なくなったのは主に金銭的事情からとの見方には否定的だ。
「週末を画面の前で過ごすこと自体に依存性がある。短期的には心地よく感じても、長期的には人生に悪影響を及ぼす」と指摘した。
一方で複数の専門家は、若い男性の教会参加が増えていることや、「デジタル機器にあまり頼らない体験」を目的とした交流グループが広がっていることは、状況改善の兆しだとみている。
ギャラップが4月に公表した調査では、18~29歳男性の42%が「宗教は人生で非常に重要」と回答した。2022~23年調査の28%から大幅に増加し、同じ回答をした女性(30%)を上回った。25年間の調査で男性が女性を上回ったのは初めてだった。
ニューヨーク州シラキュース大で子育て研究を行う心理学者マシュー・マルバニー氏は、「宗教は社会的孤立を逆転させ、かつて酒を中心としていた交流に代わる大きなきっかけになるかもしれない」と語った。
米カトリック教会によると、直近の復活祭では成人の改宗者が前年より38%増え、その中心は20代の若い男性だった。
マルバニー氏は電子メールで「特に孤独な若い男性が増えている。これは何とかしなければならない。彼らは恋人を見つけられず、多くは友人関係さえ維持できていない」と指摘した。
今回のハリス・ポールの調査は5月28日~6月6日にかけ、18歳以上の米国人4100人を対象にオンラインで実施された。調査会社は誤差の範囲について公表していない。

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