GMO不正アクセスで損失補償を発表、暗号資産取引への影響も懸念

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この記事の要点

  • GMO、不正取引の損失補償と全利用者への5,000円支払いを発表
  • 最大2.6万件流出、暗号資産取引にも影響懸念

GMO不正アクセス、損失補償を発表

GMOインターネットグループとGMOインターネットは2026年10月24日、「お名前.com デスクトップクラウド」へのサイバー攻撃を受け、不正取引による損失の補償や利用者への一律5,000円のお見舞金の支払いを発表しました。

今回の問題では、クラウド上の取引ツールに保存された認証情報などが第三者に取得され、不正な取引に利用された可能性があり、暗号資産(仮想通貨)取引への影響も懸念されています。

暗号資産取引所GMOコインも10月23日に注意喚起を公表し、同日時点で自社口座の不正操作は確認されていないとしながらも、利用者に取引履歴やAPIキーなどの確認を呼びかけました。

さらにGMOインターネットは、攻撃者とみられる人物から金銭を要求され、国内外70社超の証券会社・FX会社などの取引口座への不正操作を継続すると脅迫されていることも明らかにしています。

同社は金銭要求に応じない方針を示すとともに、利用者の資産を守るため、政府関係機関に対して「能動的サイバー防御」の適用を緊急要請しました。

顧客情報流出、影響は最大2.6万件超

不正プログラム設置、全プラン停止

GMOインターネットグループらが10月22日に公表した第2報によると、同社は10月19日に利用者からの問い合わせを受け、不正アクセスに関する調査を開始しました。

翌20日には一部のサーバー環境で第三者による不正なプログラムの設置が確認され、21日午前4時からは被害拡大を防ぐため、全プランのサーバーが順次停止されています。

その後、取引口座で身に覚えのない操作が行われたとの報告が寄せられ、取引ツールに保存されていたログイン情報などが第三者に取得され、不正利用された可能性が浮上しました。

影響を受けた可能性があるサーバーは26,739件に上るものの、不正アクセスや情報取得が実際に確認された件数ではないと同社は説明しています。

さらにGMOインターネットは24日の第4報で、対象サービスのシステムにセキュリティ上の問題が存在し、顧客情報が外部に持ち出されたことを正式に発表しました。

GMOコインも警戒、履歴・残高の確認

「お名前.com デスクトップクラウド」はFXの自動売買ツールなどをクラウド上で運用できるサービスで、取引口座の認証情報が保存されている場合があり、不正アクセスによる金融取引への影響が懸念されています。

これを受け、暗号資産取引所GMOコインは前述の注意喚起で、利用者に対して取引履歴・注文履歴・建玉・残高を確認し、身に覚えのない取引がないか調べるよう呼びかけました。

あわせて、パスキーの設定やログイン通知・約定通知の有効化、使っていないAPIキーや心当たりのないAPIキーの削除も求めています。

さらにGMOインターネットは10月23日の第3報で、パスワード変更後も既存のログインセッションが維持され、不正操作が続く可能性を指摘し、すべてのセッションを切断するよう注意を促しました。

また、攻撃者を名乗る人物からメールやメッセージが届いた場合には、本文中のURLやファイルを開かず、返信もしないよう呼びかけています。

実現損失を補償、全員に5,000円支払い

取引の差損や手数料も補償へ

GMOインターネットは利用者保護を優先する特別措置として、「お名前.com デスクトップクラウド」を現在利用しているすべての顧客に、金銭的被害の有無にかかわらず一律5,000円のお見舞金を支払うとしています。

これとは別に、不正アクセスに起因して本人の意思によらない取引が行われた場合には、実際に発生した取引の差損や手数料なども補償する方針です。

補償対象となるかどうかは取引記録やアクセス記録などをもとに判断され、市場変動による損失や本来得られたはずの利益などは対象に含まれません。

また、取引先の証券会社や取引所から返金を受けた場合には、その金額を差し引いた残額を同社が支払い、返金が受けられない場合でも補償対象と認められた損失は負担すると説明しています。

お見舞金の受け取り方法などは10月30日までに、不正取引の損失補償に関する申請方法や必要書類については11月6日までに案内する予定です。

現行サービスは再開せず刷新へ

GMOインターネットは金銭的な補償に加え、不正アクセスを受けた現行システムをそのまま再開せず、セキュリティ設計を抜本的に刷新する方針も決めました。

引き続きWindowsデスクトップ環境を利用したい契約者には、独立したクラウド基盤で運用される代替サービスを案内し、移行後6か月間は無料で提供するとしています。

移行は利用者の同意を得たうえで実施し、代替サービスの提供開始時期や申し込み方法、移行を希望しない場合の契約・料金の取り扱いなどは10月30日までに通知する計画です。

攻撃者が70社超の口座不正操作を示唆

金銭要求に応じず、刑事捜査を要請

GMOインターネットは10月24日の発表で、攻撃者とみられる人物から金銭を要求され、応じなければ利用者の金融資産や情報にさらなる被害を及ぼすと脅迫されていることを明らかにしました。

脅迫内容には、国内外70社超の証券会社・FX会社などに開設された利用者の取引口座への不正操作を続け、口座残高を毀損するというものが含まれています。

さらに、対象サービスや利用者のパソコンに関する情報を公開するほか、ランサムウェア攻撃を実行するとの脅しもあったといいます。

なお、70社超という数字は攻撃者側の脅迫内容に含まれるもので、実際に不正取引が確認された金融機関の数は公表されていません。

同社は金銭要求に応じない方針を表明し、脅迫に関する通信記録などの証拠を警察に提出して、刑事事件としての捜査を要請しました。

金融機関・政府に対応を要請

攻撃者による脅迫を受け、GMOインターネットは主要な取引所や証券会社に対し、対象サービス経由のアクセス遮断やログイン中の全セッションの強制切断、不正取引の緊急監視などへの協力を求めています。

さらに同社は政府関係機関に対し、本件を能動的サイバー防御の「発動第1号」にあたる事案だとして、攻撃基盤の追跡・遮断や無害化に向けた措置を講じるよう緊急要請しました。

政府が進める能動的サイバー防御は、重大なサイバー攻撃に対して国が攻撃基盤の無害化などに関与する枠組みで、GMOインターネットは民間事業者だけでは対処が困難だと訴えています。

同社は今後も政府や捜査機関に通信記録などの証拠を提供し、金融機関と連携しながら不正取引の防止や攻撃者への対処を続ける方針を示しています。

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Source:第2報 / 第3報 / 第4報 / GMOコイン発表
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

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